準備と作戦と 2016日本シリーズ [野球]
日本シリーズに出場する監督が、
普段着で、と言うのを聞くと悲しい。
ハレの舞台に普段着はないだろうと。
この言葉は、気持ち的にも、戦術的にも、
勝つことに対しては間違ったアプローチだ。
取り組む気持ちとしては、特別の舞台である日本シリーズなのだから
それを十分に意識した上で、程よく緊張して、いつも以上に集中して
挑んでほしい。それがやる方のプライドであるべきだし、
それを感じるから、そこにいるファンも、テレビで見る方もいつも以上に
テンションが上がるし、その特別感がたまらないわけです。
そんな中で活躍できる人がホントのヒーローなのです。
そして、もちろん監督を始めとするスタッフも同じです。
この特別感を受け止められない人は出てはいけません。
戦術的には、短期決戦、ホーム&アウェイで4つ勝つためにどうするのか、
を十分に準備する必要があります。
そして、それはシーズン中から始めなければいけません。
選手の特性把握、つまり、特別な作戦への適応、勝負を分ける場面での
メンタリティ、慣れない場所や、相手、場面への適応、連投、中継ぎ特性、
打順への適合、、、それをシーズン中に試すような場面設定や、
起用方法など、やるべきことが多い。特に交流戦はそれに適している。
そして本番でも、いろいろな試合展開の想定が必要。
不調や復調の見極め、相手の嫌がり方、怪我への対応、
動き続ける試合の中で、その時々での最善の判断が求められる。
このあたりも、シーズン中からスタッフのトレーニングが必要。
日本一を目指します、ということはこういうことをやりながら、
目の前の試合に勝っていく、とう事をしていきますよ、という宣言なわけです。
その意味で、スタッフに日本シリーズ経験者を要する事は意味がある。
よっぽどの勢いをもってシーズン終盤からポストシーズンを過ごして
その流れをそのままに、慢心でなく、集中を維持して、チャンピオンに
なるパターンもあるけど、この場合、そのシーズン限りで、常勝チームとはならない。
2016の日本シリーズで第6戦では、ファイターズが仕掛け、カープも対応する展開。
ここでのファイターズの仕掛けは、このゲームで決めることを目的にしているが、
この試合を取れなくても、最終戦、大谷を要しての総力戦を用意してある。
シリーズ中も、クローザー不在の中、できるだけいろいろな投手を登板させて
その調子や、相手との相性などを見極めている。
それくらい、周到に日本一に挑んでいるファイターズにとっては、なんとも
骨のない相手に感じたことだろう。
この舞台で、シーズン通りで選手任せでは今年のファイターズには勝てない。
今回の結果は、けっこう必然。
個人的には、最終戦、広島で、第一戦のリベンジ大谷と、
現役最終戦の黒田の両先発での最終戦をとても心待ちにしていたので
なんとも、寂しい、肩透かしなエンディングだった。
カブス、インディアンズの息詰まる、熱い第七戦を見てしまうと
この想いはなおさら募ってしまいました。
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